オンラインコスキンまとめ②

オンラインコスキンお疲れさまでした。

まとめ①では、他のコンフントについてまとめたので、この記事では自分が参加したコンフントについての一人語りをします。

 

今回参加したのはNo.9「tapaTunes」、No.27「はるかぜ音楽隊」、No.136「Remanso」の3つです。今回3グループの共通点として

・すべての録音を各々のスマートフォンで行う

・音源編集を自分で行う

がありました。録音をスマホで行うとどうしても音質が悪くなるし、録音者のちょっとした不注意ですぐホワイトノイズが入るし、大変な面が沢山あります。

まあ何とかしましたが、やっぱり良い録音環境で録ったほうが、編集時にやれることが格段に多くなるなと実感しました。

 

No.9 tapaTunes

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六匹のマグロによるコンフントです。自分はカジキマグロとしてチャランゴで参加しています。元々は2月にリモートでこの曲を演奏していますが、今回初めてメンバーで顔合わせして、演奏し直しました。尚、都合により一人欠席してます。ドラムは、リモート時に用いた打ち込み音を使っています。

打ち込みにあわせて演奏するの初めてでしたが、結構難しいですね。テンポ合わせる練習には使えそうです。あとかなり低音強めのドラムなんですが、生演奏で合わせる時は、温かみのあるドラム音源に変えたほうが馴染むなあと思いました。若干音割れしちゃってるのも気になるので今更ですがちょっと直したいですね。

tapaTunesは演奏が確かな方々、自分にはない才能を持った方々ばかりで凄く楽しいです。誘って頂いて本当に良かったと思います。

 

 リモート演奏時のはこちら

    Arigatoba/ANATA BOLIVIA(ritmo:tobas) - YouTube

 

No.27 はるかぜ音楽隊

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オリジナル曲その1。

はるかぜは結成以後、様々なアクシデントからまともに活動しておらず、今後も演奏する機会が無い為、1回は何かやりたいと思ってコスキンに参加しました。対面で会うことも難しく、楽曲の練習もまともに出来ない為、遠隔演奏かつ曲練習をしなくても出来る楽曲にしようと思いました。結果、練習の必要すらないような15秒程度の1フレーズを録音してもらい、それらを組み合わせるという手法で作りました。このやり方自体は、去年のコスキンでRemansoが参加した「Cuando Estoy Triste」でも使っています。

今回は1フレーズという特性をもっと大胆に生かしたかったので、フレーズ自体をあえてバラバラに組み合わせた構成にしています。楽曲作成時に参考にしたのは、現代音楽の巨匠スティーブ・ライヒの「マレット楽器、声とオルガンのための音楽」です。

彼の音楽は、異なる短い1フレーズを同時に再生し、それを何十分と繰り返していくのが特徴です。異なるフレーズが複雑に絡み合い、それらがゆっくりと1つの巨大な生き物となって自由自在に動き出していくような不思議な音楽です。

彼の音楽の手法を、6/8のカルナバルっぽいビートに合わせて再現しようと思いました。この曲の核となるメロディーは、冒頭から登場する6/4拍子のピアノのフレーズです。楽曲制作は、これに6/8の様々なフレーズを重ねるところからスタートしました。ただ、普通に重ねていくだけだと彼の音楽のような独特の陶酔感は生まれないので、あえて重ねるタイミングを全フレーズでバラバラにしています。そうすることで、全てのパートの拍子がそれぞれで合わなくなり、独特のリズムが生まれると思いました。更に、ある一部分だけメロディーを4拍子に変えたりと、曲に強制的な変化をつくることで、不思議な感じにさせています。

最終的に彼の音楽のような、唯一無二の陶酔感は生み出せなかったですね。スティーブ・ライヒはやっぱり凄い。

また、この曲を作ってた時はブライアン・イーノのMusic For Airportを頻繁に聴いていたので、アンビエントのような聴き流せる音楽も若干イメージしています。

動画編集はメンバーの一人が行ってくれました。有難うございます。

 

No.136 Remanso

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こちらも、演奏することは当分もう無いコンフントです。楽器が腐ってしまったメンバーもいるので、「囁き」とか「口笛」といった体一つで出せる楽器を使おうという案は、最初期のころからありました。

楽曲作り始めたのが7月初旬だったので、サマーソングを作ろうと思いました。ちょうどこの頃、コロナ以降盆踊りがなくなってて寂しいなあと思ってて、そこからサマーソング→盆踊り→ノスタルジックみたいな連想をしていって、「フォルクローレと盆踊りをかけあわせたら面白そうだな」という発想がこの曲の核になりました。

最初につくったメロディーが、「泣きべそが夜祭を~」の部分で、このメロディーがカポラルに合いそうだったのでカポラルのリズムにしました。ただ、このメロディーだけだと印象が薄くなりそうだったので、新たに「今際の果ての~」のメロディーを追加しています。メロディーは盆踊りらしさを出すために、都節音階とニロ抜き短音階のみを使っています。

制作時、まず取り掛かったのが打楽器によるカポラルのリズム作成です。今回、画面に出ている6パート以外の音はすべて打ち込みで作っています(但しサンポーニャは、彼の音を以前サンプリングしたものを音源化して、打ち込みしています)。そのうち打楽器は、Native Instrumentsソフトシンセサイザー、CubaとEast Asiaをメインに使いました。ギロの音など、打ち込みにしては結構リアルなノリが出来たんじゃないかと自画自賛してます。それから、祭囃子っぽさを出すために鉦の音なんかも入れています。

このリズムに、三味線や篳篥、琴、笙などの日本の民族楽器と、インドのBansuriという笛を重ねています。お祭りの騒がしさを出したかったので、あえてメロディーのリズムはカポラルでなくシャッフルにしています。このリズムはアウトロの演説への伏線にもなっていますね。余談ですが、三味線のフレーズも結構リアルに出来たんじゃないかと自画自賛しています。

コードとベースに関してはものすごくシンプルです。これは僕がこれらを組み立てるのが苦手っていうのもあるんですが、そんなに複雑にしなくても良いかなとも思ったからです。コードはFm→Cm→Fmの繰り返し(ちなみにKomorebiはGコード1つのみです)、ベースも1フレーズをほぼ繰り返すのみです。楽曲に迫力を出すために、ベースの音は、50khz以下のクラブミュージックでしか使わないような超低音を用いてます。

歌詞は、メロディーが出来上がった時点で揃えたい押韻がいくつか出てきたので、とにかくそれを揃えることを考えてました。Twitter上で、「結んで開いて羅刹と骸を彷彿させる、一昔前のボカロっぽさを感じる」というコメントも頂きましたが、普段自分はボカロばっかり聴いてるので、こういうところで影響を受けた音楽が無意識に現れるのかもしれないですね。また、演説は元々入れる予定なかったんですが、アウトロつくってる最中で喋りが欲しくなったので急遽追加しました。

この曲は特に参考にした曲はないですが、おそらくここらへんの影響が無意識に現れてるのかなと思う楽曲は、米津玄師「Flamingo」、富山民謡「コキリコ節」、秋田民謡「ドンパン節」、わらべうた「通りゃんせ」「さくらさくら」、童謡「あのこはたあれ」辺りです。それから、もう一度カポラルのリズムを確認するためにAmaruの「Mi Morena」なども聴いてました。

TwitterとかYoutubeのコメントで反応を見ていましたが、「コスキンで初めての低音域が使われている」「コロナ禍を反映したような歌詞」「歌詞が世知辛いのにボーカルがかわいい」「カポラルと日本民謡の融合」など、自分が意図した部分を感じ取ってくれた方々が沢山居て嬉しかったです。

 

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以上3コンフントの振り返りでした。

ちなみに、「Komorebi」も「Okame y Hyottoko」もコスキン参加提出時には、全く曲を作っていなかったので仮タイトルでつけた名前でした。結局それをそのまま使っちゃっています。