2021年下半期よく聴いた曲

去年の曲の振り返りです。

上半期聴いた曲の記事は以前書いたので、今回は下半期編です。

 

01.老人と海(2021) - ヨルシカ

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ダントツでよく聴いた曲で、今年のベストソングです。

ヘミングウェイの小説「老人と海」をテーマにしたこの曲。個人的にはあの物語の後日談という風に受け止めました。

極めて普遍的なバンドサウンドなのに、誰もたどり着いてない音楽の境地へ行ってしまったような凄味があります。南の国の静かな海の朝を思わせるイントロの空気感や、小説から引用された最後の歌詞のフレーズが瑞々しくて、何回も飽きずに聴いています。

ヨルシカはこの後に出した、「月に吠える」も物凄い名曲でした。

 

02.Lush(2017) - Four Tet

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イギリスのエレクトロニカミュージシャン、Four Tetのアルバム「New Energy」の収録曲。

スティールパンやハンドパンのような柔らかい音色が繰り出すフレーズが非常に心地良いです。夜明け、真昼、日没、深夜、いつ聴いてもそれぞれしっくりきます。

 

03.The Ephemeral Bluebell(2008) - Bibio

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イギリスのフォークトロニカミュージシャン、Bibioの代表曲。

この曲は昔から大好きな曲で、今年も沢山聴きました。

ギターの逆再生から入る独特なイントロが本当に素晴らしい一曲です。

この曲からは強烈な郷愁を感じるんですが、Youtubeのコメント欄を見ても国や人種を問わず皆そう感じるようですね。

 

04.Stay With Me(2014) - Sam Smith

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数々の賞を総なめにした、世界的大ヒット曲。恐らく100年後にはスタンダートナンバーになっているでしょう。

セックスフレンドの人に思いを募らせてしまったという俗なテーマなんですが、それを非常に真摯な歌詞とメロディーで歌い上げていて、見事な音楽になってます。音楽の詩の力ってこういうことなんだなって聴くたびに痛感します。

この曲は、イントロのドラムの質感も非常に素晴らしいです。

 

05.春嵐(2019) - john

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シンガーソングライター活動も始めたTOOBOEの、2019年のボカロヒット曲。

吹っ切れない片想いなのか、アイドルなどの「推し」への偏愛か。少し歪んだ恋愛がテーマのこの曲。早いテンポで繰り広げられるリズミカルなメロディーは、まさに春の嵐のようです。

サンプリング音声の活用の仕方や独特な発声のさせ方など、曲の中毒性を作り上げているギミックがいくつもあって楽しい1曲です。

 

06.パーフェクトおねいさん(2021) - きゃりーぱみゅぱみゅ

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きゃりーぱみゅぱみゅ最新アルバム「キャンディーレーサー」収録曲。

このアルバムは、ガバのサウンドが前面に出た前半から、人懐っこいキャッチーなメロディーが際立つ可愛い曲が続く中盤、更に80年代風ポップスや渋谷系サウンドへ回帰していく終盤と多種多様な音が滑らかに展開していく凄い面白い構成です。

その中でも特に好きなのがこの曲。2番の歌詞

「僕を進ませるのはきっとたぶん劣等感 できるって信じてるから感じることでしょ」というフレーズは聞いた瞬間に泣いてしまいました。

 

07.根も葉もRumor(2021) - AKB48

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初めてAKBでハマった曲です。

高校のダンス大会の全国常連校の顧問が振付を担当したという異例の楽曲。

激しいロックダンスを鮮やかに踊りきるパフォーマンスと、IZ*ONEから帰ってきた本田仁美の復帰作ということが話題となり、Tiktokでもバズってましたね。

四つ打ちのビートに乗せた、イケイケなブラスバンドとベースがひたすらに格好良い1曲です。

 

08.Chopstick(2021) - NiziU

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恐らく今のPopsシーンで最も挑戦的だと思います。

イギリスのスタンダートナンバー「Chopsticks」をそのままサンプリングした楽曲。この曲は二本の指だけで弾けるピアノ曲として有名で、その二本の指を箸に見立てたことが楽曲名の由来となってます。

NiziUの楽曲ではこのメロディーをそのままイントロで引用し、曲全体でこのフレーズを散りばめています。タイトルが「Chopstick」と単数形、つまり一本だけの箸であるのがポイントで、「君がいない私じゃ意味がない」というメッセージへの伏線となっています。

古典的なスタンダートナンバーをこういう風に再解釈し、ポップスのど真ん中で勝負するという姿勢が格好良くて、一発で好きになった曲です。

 

09.きゅうくらりん(2021) - いよわ

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2021年のボカロを代表するヒット曲。最近猛烈に聴いています。

音ゲー曲や既存のボカロ曲、渋谷系サウンドなど色んな音楽の要素を取り込んだ、唯一無二の曲展開が鮮やかです。

サビのフレーズ、「空っぽが埋まらないこと全部ばれてたらどうしよう」「幸せの明日を願うけど底なしの孤独をどうしよう」に掴まれました。これだけ早いテンポなのに、印象的なフレーズがぽっと浮かんでくる構成になっているのが素晴らしいです。

 

10.魔法の絨毯(2018) - 川崎鷹也

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2021年を代表するヒット曲。

「お金もないし力もないし地位も名誉もないけど君を守りたい」というフレーズは、歌詞だけ見たら、正直何にも魅力がない男としか思えないんですが、これが川崎鷹也の歌声であのメロディーに乗って歌うと途端に物凄い説得力が出てくるのがずるい。音楽の詩の力ってこういうことなんだなって改めて痛感した1曲です。

 

11.なんでもないよ、 - マカロニえんぴつ

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先月以降今ヒットを飛ばしている最中のこの曲。

髭男の「I LOVE...」と同様に、主にエレクトロミュージックで使うような電子音を、バンド楽曲へ大胆に取り入れた曲です。元々電子音楽が自分の根っこにあるので、こういうタイプの曲をJPOPのど真ん中でやっている人が凄い好きです。

back numberの「クリスマスソング」などを彷彿させる、滾る思いを上手く言葉で表せないことを歌ったラブソングです。このじんわりと暖かくなるような歌詞の内容も、リアリティーがあります。