2022年下半期よく聴いた曲

12月になったのでまとめます。

最近新曲全く作ってないなか、こんな記事を先に書くという。

酔っぱらった状態で書いてるのでめちゃくちゃかもしれない。

上半期版はこちら↓

2022年上半期よく聴いた楽曲 - 傑作を語る (hatenablog.com)

 

01.Praise The Lord  / ASAP Rocky (2018)

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今年断トツでよく聴いた曲だと思います。

Trap、Hiphopの音にフォルクローレのサンプリングを組み合わせる発想がまず凄い。Trapのサウンドも、Garagebandフォルクローレのサンプリングのフレーズも、歌詞もリズムも非常にシンプルで分かりやすいんですが、めちゃくちゃ格好良い。他の曲にはない驚異的な中毒性。

彼はLSDなどの薬物をテーマにした曲も歌っていて、正直ラッパーの歌う薬物の歌ってイキってるだけのダサい印象しかなかったんですが、彼の音楽は薬物使用中の世界をそのまま描写したようなものが多く、そのような表現が出来るミュージシャンはそうそういないと思います。

ちなみに彼の楽曲に影響されて今年の秋に作った曲が、「オーバードーズ・クライシス」でした。

 

02.Stay with me / Sam Smith(2014)

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どっかの年のよく聴いた曲まとめでも既に挙げた曲です。

サムスミスはゲイを既にカミングアウト済みで、先日ノンバイナリーを公表したことでも話題になりました。この曲はゲイの恋愛を鮮明に、かつ詩的に表現していて大好きです。個人的にもめちゃくちゃ共感します。そして、この曲がスタンダートナンバーになるまでに多くの人に共感されているのを考えると、恋愛感情は結局誰もが同じなんだと思います。

僕が11月に作った曲「deep」も、何となくこの曲を意識しています。

 

03.Spinning World / Perfume (2022)

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僕が大好きな中田ヤスタカ、そしてPerfume

メジャーデビューは2005年なんですが、ここに来てまた最高傑作が更新されてしまったような気がします。

従来のノコギリ波ベースで構成されたエレクトロサウンドは健在なんですが、どことなくファンクなようなシティポップのような。近年の世界的な80年代レトロブームの流行も感じさせながら、どこか近未来的な感じもあります。

このサウンドを、からくり人形のようなダンスで表現しているのも面白いです。決して派手な曲ではないんですが、見るたびに、聴くたびに吸い込まれる一曲です。

後半のアウトロ~フェードアウトの展開も、今までの中田ヤスタカにはない構成で新鮮でした。

 

04.Thousand knives / 坂本龍一 (1978)

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坂本龍一初期の代表曲。原曲のテクノサウンドのは知ってたんですが、ピアノのバージョンがあるのを知りませんでした。ピアノ曲としてめちゃくちゃ美しいです。

どことなくジブリにも通じるような独特なコード感とメロディー。木の温かみを感じさせるような、狭いプラネタリウムの中を思わせるような雰囲気が大好きです。

 

05.Spiritual State / Nujabes (2011)

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Nujabesの晩年の頃の作品。彼のことは亡くなった直後に知り、その時に出会った曲です。ずっと好きな曲ではあったんですが、今年に入ってすごく何回も聴くようになりました。

今やLofi Hiphopの生みの親ともいわれる彼の音楽。この曲も、木の温かみを感じさせるような、懐かしいけど、知らない国の未知の音楽のような、そんな独特な雰囲気のある曲です。ずっと垂れ流しにして聴きたい。

 

06.おくすり飲んで寝よう / もちうつね (2022)

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今年一番聞いたボカロ曲かもしれないです。

ボーカロイドの祭典「VOCALOID COLLECTION 2022秋」投稿作品で、非常に注目を集めたルーキー、もちうつねのヒット曲。

ゲームボーイを思わせる懐かしみのあるエレクトロサウンド、息の成分が多めのちょっと病的な初音ミクの声、可愛らしいようで不穏げな歌詞の韻、とにかくキャッチーなメロディー。何回も口ずさみたくなる歌詞が、ぐさりと刺さってきます。

 

07.ブレーメン / ヨルシカ (2022)

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n-bunaの曲は基本的にコードがシンプルなんですが、アレンジや歌詞で聴かせてくるんですよねえ。だから弾き語りなどで真似したくなります。

彼の歌詞は基本的に卑屈でひねくれたものが多いんですが、これだけヨルシカが売れて今や邦楽の中心となった人が、ここまで屈折した思いを克明に描き続けられるのが凄いと思います。良い意味で根幹がボカロ時代から変わってない気がします。

サビの「アッハッハッハー」が印象的な曲ですが、大サビの一回だけこの部分がありません。Youtubeのコメント欄などでは、他の人から自分自身を笑われてることを暗喩しているのではないかという考察が多かったですが、個人的にはむしろそうやって笑ってくれるような相手すらが居ない孤独を表現しているのではないかと思いました。創作するうえで一番辛いのは、強烈なアンチがつくことよりも、誰からも何の反応ももらえないことです。

 

08.カラメル / 神山天樹 (2022)

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Desktop Musicianの祭典「ゼロカラコンピ」で知った1曲。

Voisonaの知声を使ったボカロシーンのR&Bです。恐らく相当なヘビーボカロリスナーでもほとんどの人がまだ知ってない曲だと思いますが、とんでもない名曲です。

結婚式をテーマにした夜の雰囲気漂う1曲。知声って結構歌わせるの難しいんですが見事に使いこなしてます。軽やかな韻が決まった歌詞も綺麗だし、アウトロの展開も面白いです。マジでもっといろんな人に知られてほしい。

 

09.死ぬのがいいわ / 藤井風(2020)

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Spotifyなどで今年に入ってからさらに人気に火が付いた藤井風の楽曲。

独特なコード感とTrapの影響を受けたサウンド、そこに乗せられる昭和歌謡のような歌詞とメロディー。重々しい恋の感情を、このように軽やかに歌えるのはまさに才能ですね。共感できる曲でありながら、そういう恋の感情に対するユーモアも感じます。

 

10.KICK BACK / 米津玄師 (2022)

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じりじりとした米津玄師の声が癖になる、久々のロックナンバー。

サビのメロディーはボカロ時代を思わせるものもあって、懐かしい気分になりました。

聴くたびに惹かれるのはやっぱり「努力 未来 A Beautiful Star」のフレーズです。モー娘から引用された部分ですが、原曲ではこれらを明るく讃えて「私ももっと頑張らなきゃ!」とポジティブな感じで歌っています。だけどこの曲では、少年漫画のようにただただがむしゃらに頑張っていくような泥臭さと、一方でその泥臭さを馬鹿馬鹿しいと思っているニヒリズムな感じ、両方のニュアンスが含まれていると思います。

この複雑な感情は、多くの創作者、また夢に向かって頑張っている人に刺さるものだと思います。

 

11.Baby / Guiano (2021)

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Guianoに限らずボカロシーン全体の中でも特に好きな1曲。Guianoはエレクトロサウンドの申し子でありながら、いたって単純なコードとメロディーで彼だと分かる曲を作るので、ボカロ界のAviciiと勝手に思っています。

歌詞のメッセージとメロディーの展開が非常に上手くリンクしていて、「Baby baby baby baby 君でいっぱいなんだ」のサビが一層切なく聴こえます。

 

12.セブンティーン / 神山羊 (2022)

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17歳の頃の屈折した思いと、自分の中にある理想を表現したい無敵感にも似た思い上がり。その二つを上手く表現された疾走感あふれる四つ打ちナンバーです。いうて僕は、27歳になった今もそういう思いを未だに抱えながら音楽を作っていますが。

どこをとっても傑作だし、絶対Tiktokとかで爆バズりすると思ってるんですが、彼のデビュー曲「YELLOW」ほどまだ知られてないのが不思議でたまらない。。

 

13.エジソン / 水曜日のカンパネラ (2022)

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コムアイからボーカルが変わった水カン。まさかのTiktokで大バズりして今年を代表する1曲となりました。Kenmochi hidefumiのサウンドの美しさと歌詞の上手さに惚れ惚れします。「踊る暇があったら発明してえ」というキラーフレーズも好きですが、アウトロのシンセリードが特に好きです。

 

14.バーモント・キス / 相対性理論 (2008)

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中学生の時にめちゃくちゃ聴いてたハイファイ新書。先月転職活動してた時になぜか物凄く聴きたくなって何回も流してました。

「わたしもうやめた 世界征服やめた」というフレーズが否応なく頭に残る1曲。夕暮れの町内放送のような暖かみは、この曲からでしか味わえないです。中学生の当時はナンセンスなSFチックな歌としか思ってなかったんですが、今聴くと色んな事への諦め、これからの不安、今手にしている幸せを今一度噛みしめる歌なように思えます。