今年特に聴いた曲 / 制作曲

 

今年特に聴いた曲

 

01.hibari / 坂本龍一 (2009)

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今年断トツでよく聴いた曲です。

今年逝去した坂本龍一ピアノ曲。映画「怪物」にも使われていたらしいですね。

郷愁的なフレーズが何回も重なり合いながら、独白のように続いていくミニマルな展開。空っぽの白い空間を思わせる楽曲です。

この曲を聴くと、夏井いつきの俳句「空っぽの春の古墳の二人かな」を思い出します。無機質なようでいて、幼稚園の頃に見た、あったかどうかも分からない記憶が蘇ってくる、不思議で暖かな感覚がずっと続きます。

この歳になるともう人生のベストトラックなんてそうそう変わらないんですが、今年新たにこの曲が入りました。本当に大切な1曲です。

ちなみに、この曲に大きく影響を受けて作ったのが「流星に焦げゆく雲雀」でした。

 

02.Cool With You / Newjeans (2023)

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歌手別でいえば、今年一番聴いた人たちかもしれません。

怒涛の勢いで音楽シーンを駆け巡るKPOPのなかで、新星のごとく現れあっという間に頂点に立ってしまった彼女たち。その中で特に刺さったのがこの曲と「Ditto」です。

90年代イギリスのクラブミュージックのような冷たい空気感が漂い、そのサウンドに乗りながら「Cool with you」と軽やかに繰り返すこのビート感が、何度聴いても気持ち良い。

どことなく宇多田ヒカルのAutomaticとかSAKURAドロップスとかも思わせる情緒感も、多くの日本人に刺さった一因だと思います。この時代にY2Kをいち早くやろうとした感覚の鋭さも凄い。

この曲はダンスも秀逸です。Perfume好きな人は間違いなくハマる気がする。最後の携帯カメラの視点を駆使したパフォーマンスも目から鱗でした。

 

03.徒然曜日 / 手嶌葵 (2007)

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元々小学生の頃から好きだった曲ですが、今年入って特によく聴くようになりました。

ゲド戦記で「テルーの唄」がヒットした直後ぐらいにリリースされたこの曲。

水墨画のような淡く抽象的な歌詞を、オーケストラ楽器を用いながら色彩豊かに歌い上げたこの曲。クラリネットの音が大木の中をゆさゆさ駆ける風のように聴こえます。

メロディーの良さもさることながら、編曲の秀逸さを今になって再確認しました。手嶌葵の最高傑作の一つだと思います。

 

04.ヤツメ穴 / 作者不詳 (2013)

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作者が失踪した後に有名になったボカロ(UTAU)楽曲。ボカロめっちゃ聴いてるのに、当時この楽曲のことを全く知りませんでした。

二人が同時に歌いながら、物語が不気味に進んでいく都市伝説のような楽曲。コードは丸サ進行が使われておりますが、このイントロはボカロ史における丸サ進行曲の最高傑作だと思います。一瞬にして引き込まれる。

丸サ進行、民謡っぽいニロ抜き音階、ストーリー形式の歌詞と、ある意味ベタな要素が詰まった楽曲なのに、唯一無二のオリジナリティ性しかない才能の塊みたいな楽曲です。

歌っているのは、ころんば4号と唄音ウタというシンセサイザー。唄音ウタはゆっくり解説でもおなじみのあの声です。

 

05.粛聖!!ロリ神レクイエム☆ / しぐれうい(9さい) (2023)

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今年一番衝撃的だった曲です。多分多くの人にとってもそうでしょう。

この令和の時代に、こんな平成から化けて出てきたような電波ソングが流行るなんて思いませんでした。調べてみたらあのIOSYSなんですね。

幾度もやってくる転調、何種類も畳みかけてくるラップ(というか罵り)、大きなお友達によるレスポンス、そして開いた口が塞がらないういビーム...。

もはやAメロBメロラップサビなんて従来の概念では追いつけない、圧倒的な曲展開は一度聴いただけでは全然理解できません。理解しようとまた聴き返すとやってくるラップ(というなの罵倒)。そしてもうこの曲から逃れられなくなっている。更にクラシックのレクイエム怒りの日をサンプリングしてるところも憎い(けど、最初は他の部分に圧倒されて全く気付きませんでした)。

この曲、邦楽はおろかKPOPですら類を見ないくらいのスピードで再生数を伸ばしていますが、そうならざるを得ないとんでもない魅力に溢れています。

 

06.1000年生きてる / いよわ (2020)

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きゅうくらりん、地球の裏、一千光年をはじめに今年はいよわさんの曲沢山聴きましたが、特に何回も聴いたのがこの曲です。

ムソルグスキーのクラシック曲「展覧会の絵」をサンプリングした楽曲。絵画の中の少女が、絵画を描いた自分たち人間を額縁越しに俯瞰しているという視点で曲が綴られています。作品の中で永遠に生き続ける絵画の中の少女が、自分自身を作り上げた人間たちに対して「骨も残らぬパパママよ」といっちゃうのが強烈です。

自分の表現したいことを創作という行為で形にし、それが世界に影響を及ぼすことを創作者は常に夢見ています。自分自身が骨も残らぬパパママとなった後も、展覧会の絵のように自分の創作物が残り続けていたら、それ以上に幸せな事はないかもしれません。

 

07.人マニア / 原口砂輔 (2023)

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今年最もヒットしているボカロ曲といっても過言ではないでしょう。

まさにボカロの新時代を感じた1曲です。

これ聴くと、素晴らしいめっちゃくちゃ良い楽曲と思う反面、羨望とか嫉妬も感じちゃいますねえ。

こういう楽曲作れないけど、こういう楽曲作りたいなあ。

 

08.ちっちゃな私 / マサラダ(2023)

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人マニアもそうですが、今年は重音テトSynthsizer Vと、彼女を使った新星P飛躍の年だったと思います。

8分音符が主体の、人懐っこさのある明るい楽曲。明るいんだけど、ほろっと泣かせに来る部分もあって、一発で好きになった曲です。

 

09.Ylang Ylang / FKJ (2019)

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TiktokのLiminal Space系の動画でよく使われている楽曲。

ジャズのようなエレクトロニカのような。このずっしりとした質量のサウンドが心地良くて、非常に巧みな楽曲です。ゆくゆくはこういう楽曲を作れるようになりたい。

 

10. Eve psyche and bluebeard's wife / LE SSERAFIM (2023)

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アルバムのTeaser時点で物凄く気になってた曲でした。

サビ終わりの鮮やかな転調からの「I'm mess...」のフレーズが、冷ややかでクール。イギリスやヨーロッパのクラブミュージックを思わせる冷静さ、無機質さを感じます。アメリカの熱っぽく荒い感じではない感じがしますね。

LE SSERAFIMはANTIFRAGILEの時もそうでしたが、他のKPOPグループと比べてもかなり硬派で突き放したような音楽を鳴らしていると思います。こういう楽曲が、ポップスのど真ん中として人気を得ているという事実に、未だにささやかな驚きを感じます。少なくとも、10年、20年前のJPOPシーンじゃあり得なかったし、たぶん韓国でもそうだったでしょう。

 

今年製作した楽曲

 

01.砂漠のビル街

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エクアドルの民俗音楽「サンファニート」をハウスミュージックで表現した曲。

サンファニートはかなりテクノっぽい要素が強く、同じフレーズの繰り返しによる高揚感、極めてシンプルなコード進行、ボンボによる四つ打ちのリズムなど、電子音楽との相性が抜群だと思います。フォルクローレ電子音楽の組み合わせにはもっと可能性があるはず。

 

02.流星に焦げゆく雲雀

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坂本龍一の「hibari」に影響を受けて作った楽曲。hibariのメロディーが何度か出てきて、この曲の一番の盛り上がりのところ(EDMでいうDrop部分)に配置しています。

この楽曲辺りから、夢日記をつけるかのように歌詞を書くようになってきました。前までは楽曲を能動的につくっている感覚だったんですが、最近作曲は、見ていた夢を思い出しながらノートに映像を描写するように、無意識の中から詩や芸術になるものを拾い上げてきてるような感覚があります。

非常に自分らしい楽曲が出来たと自負している意味ではかなり自信作なんですが、いかんせんマスタリングがあまり良くなかったね。新アルバムに収録する際は、歌詞も若干修正しながら大幅にリマスタリングしようと思います。

 

03.18才のコレクション

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偏見をテーマにした楽曲。テーマ性や書きたいメッセージ性が割とはっきりしてたので、すらすらと歌詞が書けて良かったです。

元々はラジオのテーマソングかつBGMとして作った曲なので、イントロもそれをイメージしています。イントロのメロディーからどんどんイメージを拡張して出来上がった曲です。曲時間が短いのも、ループを前提に作ってあるためです。あと、歌詞が簡潔に表現できたので、もうこれ以上書く必要もないかなと思ったのもある。

韻が結構綺麗に決まってるので、聴いてて気持ち良いですね。

トラック数が多分10ちょっとしかないので、かなり音数が少なめ。コードはNative InstrumentsのKinetic Metalというシンセサイザーを使ってます。かなり個性的な音が鳴ってますが、この曲にはドンピシャでハマってくれました。

 

04.泡沫花火

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去年楽曲事務所に所属していた時、関ジャニ∞へのコンペ曲として1番だけデモで作った曲です。メロディーとかコード進行が気に入ってたので、完成させようと思って、データを引っ張り出しました。

自分で言うのも何ですが、聴くたびに良い曲だなぁーと思います。抽象的な響きのコードと、ニロ抜きのメロディーが美しい。大塚愛金魚花火をちょっとイメージした部分もあるかも。僕が思う夏のJPOPのエモさを表現できた気がします。

 

05.HOld Hands

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ずばり僕の実体験を込めた片想い曲。ここまで直球のラブソングは初めて書きました。

deepと地続きになっている曲として作った楽曲です。

「付き合う直前くらいの関係性がいっちゃん幸せ」みたいなこと言ってる恋愛系Youtuber共と、それに共感してクソみたいな恋愛観をどや顔で語りまくってる恋愛馬鹿が嫌い過ぎて出来たのが一番サビの歌詞の一部です。この部分を核にして、発想を広げながらつくりました。

可不の調声に前より慣れてきたので、今までの曲と比べてより拘りました。可不はほんとに優秀なシンセサイザーなので、やりがいがありますね、打ち込みすげえ面倒だけど。もっと色々歌わせたい。

 

06.月虹

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酔っ払いながら作曲していた時にできたデモを基に作った曲。基本作曲ってシラフじゃないと僕は出来ないので、酔っ払ってるときに良いものができることもあるんだなってちょっと感心しました。

星の夢とほぼ同じコード進行です。この同じところをひたすら足踏みしつづけるような、極めて抽象的な響きのコード進行が物凄く好きなんですよね。この気持ち良い響きをひたすら繰り返しながら曲を進行させたいという発想から出来た曲です。

僕が一番表現したいジャンルである、エレクトロニカIDMといった内向的な電子音楽をド直球に作れた気がします。最新作にしてこれも結構な自信作です。

それから、最近Liminal Spaceに物凄くハマっていて、この界隈自体が僕の表現したいものと近しい物を感じるので、その影響も多分に受けています。この動画自体もLiminal Spaceを意識しました。

ジャンル的に結構ニッチなのでそんな伸びないだろうと思ってたんですが、Bilibili動画でかなり反応が良いので非常に嬉しいです。寄せられたコメントには、僕が意図して表現した部分をくみ取って共鳴してくださってる方も沢山いらっしゃって、本当に音楽を製作していて良かったなと思います。

今後はもっと、僕の音楽に共鳴してくれる人たちをどんどん増やしていきたいです。

 

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今年はあと、Twitterの話題に便乗して「自分の事は努力もせず全部理解して評価してほしいという割に周りの大人や友達への解像度が低くてステロタイプな甘ったれた曲」なんてネタ曲も作りました。ニコニコランキングでデイリー2位まで行けたので、話題に乗るのって大事だなと思いました。あとリリカピアノと丸サは強い。

今年、まだ楽曲製作はするので発表できたら良いけどどうだろうなあ。ヒップホップを自分自身で歌いたいと思ってる。

2022年下半期製作した楽曲

01.生きてるだけで偉い訳ないでしょ

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このタイトルで曲を作りたいと5月ごろからずっと思ってました。そのあと「ローファイメモリー」など3曲ほど別の曲を作ってたんですが、無色透明祭に合わせて製作に着手してできた楽曲です。

先に歌詞を書いてから楽曲を作り、それに合わせて再度歌詞を作り直すという初めての手法で作りました。今まで抽象的な歌詞ばかり書いてましたが、初めてメッセージ性のあるものを書けた気がします。

「生きてるだけで偉い」というワードは、金儲けや人気集めをしたいインフルエンサーが不特定多数の人間へばらめく餌のようなものにしか思えないです。そういう欺瞞への怒りから生まれた曲でしたが、結果的にこの時の自分が思っていたことを端的に表現できて良かったです。

Youtubeでのコメント欄の反応もとても良くて嬉しいです。創作することについての悩みや怒りをテーマにした曲でしたが、生きることそのものについて述べてくれてる人も居て、読んでて面白いです。

 

02.Good morning * Good bye Ug Daydream Mix (From 椎名もた)

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椎名もたの初期の楽曲の可不によるリミックス。彼の命日に合わせて作りました。原曲がエレクトロニカっぽい曲なので、このリミックスも白昼夢っぽいほわほわしたエレクトロニカにしました。

以前つくった「星の夢」という楽曲のプリセットをそのまま転用して作りました。一部伴奏のメロディーに古川本舗の「Alice」も引用しています。

リミックス作品として、個人的にかなり気に入ってます。

 

03.Habit KAFU Singing Remix (From SEKAI NO OWARI)

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今年大ヒットしたセカオワのHabitのリミックス。この曲Tiktok経由で世界中で聴かれてる分、今投稿したら再生回数伸びそうだなというよこしまな理由で作りました。

原曲はバンドサウンドですが、こちらは不穏な感じのエレクトロサウンド。可不に歌わすの物凄く大変でした。こんな複雑な譜割りと、メッセージ性と韻律を両立させた原曲がやっぱ凄いと心底感じますね。

 

04.バニラと帆船

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元々楽曲応募のコンペに出すために、1番だけデモで今年の3月に作った曲でした。今考えると、譜割りが難しくて人が歌うことを考えられてないですね...。コンペで出した曲たちが返却された後、一番気に入ってた曲を世に出したくて完成させたのがこれです。

楽曲応募のテーマが「ドローンの撮影で使われそうなEDMっぽい曲」「夏」だったので、それらをイメージしたサウンドと歌詞です。その割にはちょっと歌詞にネガティブな要素があるのは、僕がつくったからですね。でも良い歌詞が書けたと思います。

デモで作ったのが、「東京は水の底」「がらくたばっか」の頃と近いため、サウンドもこの2曲に近いです。MVも実写なので、個人的にちょっとした3部作って感じがしてます。

ボーカルは初音ミクと可不。ボカロ界隈でぶっちぎりの人気があるこの2人ですが、声質が全然違うので案外デュエットさせるの難しいんですよ。上手く馴染ませるテクニックが知りたい。

 

05.オーバードーズ・クライシス

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ずんだもんの躍進が著しい、音声読み上げフリーソフト「Voicevox」。元々ずんだもんで1曲作ろうと思ってたんですが、囁き声に特化したキャラクター「九州そら」の存在に衝撃を受けました。彼女の声は絶対にエレクトロ系の音楽に合うから何か作りたいという衝動で出来た曲です。この囁き声は、何か陰りや怪しさを含んでいる独特な声なので、それを活かせる内容にしたいと思ってたんですが、ちょうどこの時ハマっていたラッパー、ASAP ROCKYの楽曲に影響を受けて、薬物(LSD)をテーマに九州そらにラップさせようという発想がこの曲のきっかけです。

大分遅めのテンポなのはこの時の僕の気分かもしれません。それとレゲトンをイメージしたリズムなのもあります。イントロから鳴り続く裏メロみたいなのはカリンバを逆再生した音です。この手法は、以前作ったコキリコ節のリミックスでやったものを踏襲してます。

ここまでがっつりラップやポエトリーリーディングをしたのは初めてでした。薬物をテーマにしたヒップホップの曲っていっぱいあると思いますが、正直どれもイキってるだけでのダサいやつばっかりなので、ああいうのにだけは絶対させたくないなという意識がありました。揃えたい韻を揃えながらリリックを紡ぐのは結構大変でしたが、この歌詞は結構気に入ってます。

九州そらで今度は高速ラップさせたいですね。

 

06.deep

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この次に投稿した「オルロ・レコード」を作ってる最中に作り始めて先に完成してしまった曲。僕の一番の作りたいジャンルであるエレクトロニカ/フォークトロニカっぽい曲です。

テーマはラブソング。好きな人が出来て、その思いをそのまま歌詞とサウンドに転写したような曲です。この曲に限っては韻とか全く意識せずに歌詞を書きました。そういう経緯で個人的な感情が一番入ってる曲です。

 

07.オルロ・レコード

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中南米の民俗音楽「Morenada」をイメージした曲。ゆうて全然モレナダとは違いますが。一応間奏に友達の吹いているのを携帯でサンプリングしたサンポーニャのパートがあります。

イントロのピアニカのメロディーがたまたま曲作り中に思いついて、これが結構お気に入りだったので曲ごと完成させようと思い作った曲です。

1か月に1曲は投稿するを目標にしているんですが、12月残り3日というなかで全く曲作りを進展させてなくて、焦りながら急いで完成させました。11月に転職活動して12月から勤め始めて、正直全然曲作りから逃げてた部分があります。そういう意味で、もう少し練る余地があったかもしれない。

オルロ・レコードのオルロは、ボリビアのお祭り「オルーロのカーニバル」が行われる、オルロの地名から来ています。

 

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上半期が15曲ぐらい作ってたのに対し、下半期が6曲。大分ペース落ちちゃいましたね。でも、出来上がった曲はどれも気に入ってます。

去年「ドリーマーズ・ロウ」という自分の醜い感情を吐き捨てるような曲を元日に投稿してからちょうど1年。今年からをさらに良いものにするために、頑張りたいことが色々あります。1年間僕の音楽を聴いてくれた人たち、そして聴き続けてくれてる人たちへの感謝を忘れずに頑張っていきます。

2022年下半期よく聴いた曲

12月になったのでまとめます。

最近新曲全く作ってないなか、こんな記事を先に書くという。

酔っぱらった状態で書いてるのでめちゃくちゃかもしれない。

上半期版はこちら↓

2022年上半期よく聴いた楽曲 - 傑作を語る (hatenablog.com)

 

01.Praise The Lord  / ASAP Rocky (2018)

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今年断トツでよく聴いた曲だと思います。

Trap、Hiphopの音にフォルクローレのサンプリングを組み合わせる発想がまず凄い。Trapのサウンドも、Garagebandフォルクローレのサンプリングのフレーズも、歌詞もリズムも非常にシンプルで分かりやすいんですが、めちゃくちゃ格好良い。他の曲にはない驚異的な中毒性。

彼はLSDなどの薬物をテーマにした曲も歌っていて、正直ラッパーの歌う薬物の歌ってイキってるだけのダサい印象しかなかったんですが、彼の音楽は薬物使用中の世界をそのまま描写したようなものが多く、そのような表現が出来るミュージシャンはそうそういないと思います。

ちなみに彼の楽曲に影響されて今年の秋に作った曲が、「オーバードーズ・クライシス」でした。

 

02.Stay with me / Sam Smith(2014)

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どっかの年のよく聴いた曲まとめでも既に挙げた曲です。

サムスミスはゲイを既にカミングアウト済みで、先日ノンバイナリーを公表したことでも話題になりました。この曲はゲイの恋愛を鮮明に、かつ詩的に表現していて大好きです。個人的にもめちゃくちゃ共感します。そして、この曲がスタンダートナンバーになるまでに多くの人に共感されているのを考えると、恋愛感情は結局誰もが同じなんだと思います。

僕が11月に作った曲「deep」も、何となくこの曲を意識しています。

 

03.Spinning World / Perfume (2022)

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僕が大好きな中田ヤスタカ、そしてPerfume

メジャーデビューは2005年なんですが、ここに来てまた最高傑作が更新されてしまったような気がします。

従来のノコギリ波ベースで構成されたエレクトロサウンドは健在なんですが、どことなくファンクなようなシティポップのような。近年の世界的な80年代レトロブームの流行も感じさせながら、どこか近未来的な感じもあります。

このサウンドを、からくり人形のようなダンスで表現しているのも面白いです。決して派手な曲ではないんですが、見るたびに、聴くたびに吸い込まれる一曲です。

後半のアウトロ~フェードアウトの展開も、今までの中田ヤスタカにはない構成で新鮮でした。

 

04.Thousand knives / 坂本龍一 (1978)

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坂本龍一初期の代表曲。原曲のテクノサウンドのは知ってたんですが、ピアノのバージョンがあるのを知りませんでした。ピアノ曲としてめちゃくちゃ美しいです。

どことなくジブリにも通じるような独特なコード感とメロディー。木の温かみを感じさせるような、狭いプラネタリウムの中を思わせるような雰囲気が大好きです。

 

05.Spiritual State / Nujabes (2011)

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Nujabesの晩年の頃の作品。彼のことは亡くなった直後に知り、その時に出会った曲です。ずっと好きな曲ではあったんですが、今年に入ってすごく何回も聴くようになりました。

今やLofi Hiphopの生みの親ともいわれる彼の音楽。この曲も、木の温かみを感じさせるような、懐かしいけど、知らない国の未知の音楽のような、そんな独特な雰囲気のある曲です。ずっと垂れ流しにして聴きたい。

 

06.おくすり飲んで寝よう / もちうつね (2022)

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今年一番聞いたボカロ曲かもしれないです。

ボーカロイドの祭典「VOCALOID COLLECTION 2022秋」投稿作品で、非常に注目を集めたルーキー、もちうつねのヒット曲。

ゲームボーイを思わせる懐かしみのあるエレクトロサウンド、息の成分が多めのちょっと病的な初音ミクの声、可愛らしいようで不穏げな歌詞の韻、とにかくキャッチーなメロディー。何回も口ずさみたくなる歌詞が、ぐさりと刺さってきます。

 

07.ブレーメン / ヨルシカ (2022)

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n-bunaの曲は基本的にコードがシンプルなんですが、アレンジや歌詞で聴かせてくるんですよねえ。だから弾き語りなどで真似したくなります。

彼の歌詞は基本的に卑屈でひねくれたものが多いんですが、これだけヨルシカが売れて今や邦楽の中心となった人が、ここまで屈折した思いを克明に描き続けられるのが凄いと思います。良い意味で根幹がボカロ時代から変わってない気がします。

サビの「アッハッハッハー」が印象的な曲ですが、大サビの一回だけこの部分がありません。Youtubeのコメント欄などでは、他の人から自分自身を笑われてることを暗喩しているのではないかという考察が多かったですが、個人的にはむしろそうやって笑ってくれるような相手すらが居ない孤独を表現しているのではないかと思いました。創作するうえで一番辛いのは、強烈なアンチがつくことよりも、誰からも何の反応ももらえないことです。

 

08.カラメル / 神山天樹 (2022)

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Desktop Musicianの祭典「ゼロカラコンピ」で知った1曲。

Voisonaの知声を使ったボカロシーンのR&Bです。恐らく相当なヘビーボカロリスナーでもほとんどの人がまだ知ってない曲だと思いますが、とんでもない名曲です。

結婚式をテーマにした夜の雰囲気漂う1曲。知声って結構歌わせるの難しいんですが見事に使いこなしてます。軽やかな韻が決まった歌詞も綺麗だし、アウトロの展開も面白いです。マジでもっといろんな人に知られてほしい。

 

09.死ぬのがいいわ / 藤井風(2020)

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Spotifyなどで今年に入ってからさらに人気に火が付いた藤井風の楽曲。

独特なコード感とTrapの影響を受けたサウンド、そこに乗せられる昭和歌謡のような歌詞とメロディー。重々しい恋の感情を、このように軽やかに歌えるのはまさに才能ですね。共感できる曲でありながら、そういう恋の感情に対するユーモアも感じます。

 

10.KICK BACK / 米津玄師 (2022)

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じりじりとした米津玄師の声が癖になる、久々のロックナンバー。

サビのメロディーはボカロ時代を思わせるものもあって、懐かしい気分になりました。

聴くたびに惹かれるのはやっぱり「努力 未来 A Beautiful Star」のフレーズです。モー娘から引用された部分ですが、原曲ではこれらを明るく讃えて「私ももっと頑張らなきゃ!」とポジティブな感じで歌っています。だけどこの曲では、少年漫画のようにただただがむしゃらに頑張っていくような泥臭さと、一方でその泥臭さを馬鹿馬鹿しいと思っているニヒリズムな感じ、両方のニュアンスが含まれていると思います。

この複雑な感情は、多くの創作者、また夢に向かって頑張っている人に刺さるものだと思います。

 

11.Baby / Guiano (2021)

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Guianoに限らずボカロシーン全体の中でも特に好きな1曲。Guianoはエレクトロサウンドの申し子でありながら、いたって単純なコードとメロディーで彼だと分かる曲を作るので、ボカロ界のAviciiと勝手に思っています。

歌詞のメッセージとメロディーの展開が非常に上手くリンクしていて、「Baby baby baby baby 君でいっぱいなんだ」のサビが一層切なく聴こえます。

 

12.セブンティーン / 神山羊 (2022)

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17歳の頃の屈折した思いと、自分の中にある理想を表現したい無敵感にも似た思い上がり。その二つを上手く表現された疾走感あふれる四つ打ちナンバーです。いうて僕は、27歳になった今もそういう思いを未だに抱えながら音楽を作っていますが。

どこをとっても傑作だし、絶対Tiktokとかで爆バズりすると思ってるんですが、彼のデビュー曲「YELLOW」ほどまだ知られてないのが不思議でたまらない。。

 

13.エジソン / 水曜日のカンパネラ (2022)

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コムアイからボーカルが変わった水カン。まさかのTiktokで大バズりして今年を代表する1曲となりました。Kenmochi hidefumiのサウンドの美しさと歌詞の上手さに惚れ惚れします。「踊る暇があったら発明してえ」というキラーフレーズも好きですが、アウトロのシンセリードが特に好きです。

 

14.バーモント・キス / 相対性理論 (2008)

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中学生の時にめちゃくちゃ聴いてたハイファイ新書。先月転職活動してた時になぜか物凄く聴きたくなって何回も流してました。

「わたしもうやめた 世界征服やめた」というフレーズが否応なく頭に残る1曲。夕暮れの町内放送のような暖かみは、この曲からでしか味わえないです。中学生の当時はナンセンスなSFチックな歌としか思ってなかったんですが、今聴くと色んな事への諦め、これからの不安、今手にしている幸せを今一度噛みしめる歌なように思えます。

ゼロカラコンピVol.9「夢」

前回に続き、ゼロカラコンピVol.9「夢」に参加しました。

どんどん多様性が増してるようで、凄く面白いです。

参加者の方々と共有したくて、個人的に特に好きな楽曲をまとめました。

前回のゼロカラコンピ「雨」のまとめはこちら↓

ゼロカラコンピVol.8  - 傑作を語る (hatenablog.com)

 

01.カラメル / 神山天樹

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全200曲の中で一番好きな曲です。

初期の宇多田ヒカルや新生K-POPアイドル、New jeansを思わせる懐かしいR&Bの雰囲気のポップス。歌唱はボーカルシンセサイザーの知声。彼女の声ってリアルだけど上手く使うのが意外と難しい印象があるんですが、これはドはまりしていて気持ち良いです。

 

02.デジタル/ストリート/ミュージシャン - MINNOS_K

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今回のテーマ「夢」というのに、DTMer目線で一番ド直球に向かった曲だと思います。参加者はバンドマン、根っからのDTMer、トラックメイカー様々居て、それぞれ音楽のルーツも全然違うと思うんですが、同じ「デジタルストリートミュージシャン」としてこの場に参戦している同士な訳です。音楽をやるうえでの屈折した思いに素直に共感しました。民俗音楽チックなイントロからつかまされる1曲です。

 

03.Lost Dream - cosmic wave

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退廃的なインスト曲。寝る前の静けさのような、夢に破れた心境のような雰囲気。

なんとなくClarkを思わせるような不気味さと攻撃性、その中にある繊細さが凄く好きですね。リピートで聴いても気持ち良い。

 

04.won't be long - いなせ

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めちゃくちゃポップな打ち込み曲。韻が綺麗に決まった歌詞も凄い好きです。

 

05.夢の続きを話そう - Rock Laoren

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昔の洋楽ロックを聴いてるような懐かしさと安心感。そっと励ましてくれるようなメロディーとボーカルが好きです。今青春の真っただ中を進んでいる人、多くの挫折を繰り返してもう若くない年齢となった人、どちらにも刺さる曲だと思います。

 

06.Dream Fighter Euro Beat Mix / Chu-A

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まさかPerfumeDream Fighter初音ミク(?)カバーが来ると思いませんでした。しかもユーロビートアレンジ。中田ヤスタカ大好きなので凄く聴いてて楽しかったです。確かに「夢」といえばこの曲かもしれない。

 

07.バニラと帆船 / Ungifted

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最後は自分の楽曲。夢を追うことを航海に例えた1曲です。バンド風EDM的な。

ゼロカラコンピVol.8 

多くのDTMerが一堂に集まる企画、「ゼロカラコンピ」のVol.8に参加しました。

総勢181名、約200曲の中から僕が個人的に好きな曲をまとめてます。

 

01.傘 / 寄声虫

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滂沱の雨のように降り注ぐ、イントロのギターが印象的なロック。シューゲイザーらしさも感じます。疾走感のあるサウンドと、鮮やかな転調が気持ち良いです。

 

02.Sun shower / Kymoh

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重厚感あるサウンドのEDM。遅めのテンポで展開するずっしりとしたリズムが、とにかく気持ち良いです。お洒落と孤高が両立したような1曲。

 

03.木漏れ日の雨 / にーえぬ

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こちらも重厚感のあるテクノポップ。何よりも2:43からの間奏がめちゃくちゃ気持ち良い。

 

04.No.0 / UGUG

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ファンクっぽいギターと、ミドルテンポのドラムが繰り広げる、独特の気怠さが癖になります。

 

05.幽閉 / Shirks

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amazarashiを思わせる、独特の歌声と語るようなメロディーに凄く惹かれました。こういう言い方ってあまり良くないのかもしれませんが、まさに「エモい」楽曲だと思います。

 

06.Haze / Libidista

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止まっていた時間が思い出したかのように進みだす、そんな切迫とした雰囲気のサビが綺麗な楽曲です。僕も含めボカロで参加された方沢山いましたが、一番調声が綺麗だと思います。

 

07.マダニのDANCE / 富岡一平太

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タイトルからしインパクトのあるこの曲。個人的に一番好きかもしれないです。

軽快なギターサウンドから始まったと思いきや、サビで鮮やかな転調をし、そこから70年代のテクノを思わせるシンセサイザーがやってくる展開。色んなジャンルがミックスされたとても楽しい楽曲です。

 

08.あじさいの唄 / 矢田晃一

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シンプルなギターコードと四つ打ちのドラムに乗せて、独白のように紡いでく歌声。素朴だけど力強いものを感じました。

 

09.Good Bye / Chaliness

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2000年代初頭のバンドシーンを思わせる、青春ロック。バンプなどが好きな方にはとくに刺さると思います。

 

10.LATE SHOW / smapcall

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Rin音や変態紳士クラブのような、メロディアスなヒップホップの流れを汲んだお洒落な1曲。まさに夜の雨のカフェなどで聴いてみたいです。

 

11.句集『夢に出てくる街』/ Ungifted

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最後は自分の楽曲。夏の雨や湿度をテーマにした小さな句集です。

2022年上半期に投稿した楽曲(カバー含む)

01.ドリーマーズ・ロウ

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今年の元日に投稿した最初の楽曲です。

マレットのイントロのフレーズを気に入って、そこからインスト曲として何となく作ってた曲なんですが、どうせなら歌も入れるかと思い、後付けでメロディーを入れました。楽曲の構成的にメロディアスなものは無理だと思ったので、ヒップホップとかをイメージしたものになっています。

夢を見ることって、そんな明るいものでも素晴らしい事でもないよなっていうテーマ。歌詞が物凄く長くなったので、作るのが大変でした。

 

02.Snowy

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インスト曲。01月06日、関東で大雪が降った日に作りました。

ピアノのリフを中心に、二胡、アフリカや中東の弦楽器、バイオリンなどが入ってくる異国情緒ある感じの曲。インスト曲って作ってもほとんど誰にも聴かれないんで最近作らないですが、元々凄い好きなジャンルなのでまた作りたいですね。

 

03.声を灯せ

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この曲は元々2年前からありました。

友達がストーリー仕立てのMVを作りたいということで、それに合いそうなバラードをデモで作ったんですが、それが作られずずっと放置されたままでした。初音ミクで蘇らせようと思って、新たに作り直した曲です。歌詞には椎名もたの曲が引用されてます。

そしてこの曲を更にアレンジした曲を、3月に投稿しました。

 

04.そうじゃないの

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Sin波の超シンプルなコード音メインで、何か曲を作れないかなと思って作りました。めちゃくちゃチルい感じ。

サウンドもメロディーも個人的に結構好きな雰囲気なんですが、これ以上どうやって展開させれば良いか分からなくなって放棄しました、残念だね。Short verって書いてますが多分Fullは無い。

この頃のリバーブを利かせた、いかにも機械音っぽい初音ミクの調声結構気に入ってますが、最近はこういう歌わせ方してないのでまたやりたいですね。

 

05.Noir(Loop Music)

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インスト曲、というか作業用BGM曲。

NoirというNative Instrumentsのピアノ音源シンセサイザーをメインに作った曲です。

深夜一人で静かな街を歩くイメージ。

自分はNIシンセサイザーのみで楽曲作ってるんですが、その中でもNoirは特にお気に入りです。立体感のあるピアノの音が気持ち良いし、これでコード流すだけで曲になってしまう。

 

06.Sing A Song

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元々のタイトルは台湾No.1。ボリビア小町の「香港No.1」リスペクト。

一時期楽曲事務所に属していて、そこへ応募するときに技能審査として作ることになったのがこの曲でした(事務所はすぐに解雇されちゃいましたが)。いくつか楽曲テーマを与えられて、それに合わせた曲を作るという審査で、台湾歌謡とフォークソングをイメージして作った楽曲です。

小苹果(筷子兄弟)をイメージした曲なので、これも中国語でミクに歌わせたかったのですが、僕が分からないので断念。今中国語勉強しているので、サウンド面も含めてリメイク版をそのうち出すと思います。

 

07.GIVE ME LOVE

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楽曲事務所への技能審査で送った曲その2。これはK-POPがコンセプト。

もっとド派手に曲が展開するエレクトロポップをイメージしてたんですが、全然うまくいきませんでした。琉球音階を使ったKPOPってまだそんな無いので斬新になるかと思いましたが...。

自分のやりたかったことが全然うまくいかなかったという意味で、個人的には失敗作でした。無念だね。

 

08.夜に駆けるetcカバーメドレー

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n-buna→ヨルシカ、Ayase→YOASOBIなど、ボカロ出身者が作ったJ-POPのヒット曲をメドレーで繋げたもの。カバー動画はあってもメドレー動画ってなかったし、個人的にこういう動画凄く見たかったので自分で作っちゃいました。

個人的に凄い再生されると思ってたのに、投稿してみたら恐ろしいほどに全く伸びてなくてウケました。

 

09.東京は水の底

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夜に駆けるカバーで作ったドラムとギターのプリセットを、そのまま使って製作しました。あのカバーが無かったらこの曲はまず出来なかったので、あれを作った意味を見いだせて良かったです。

個人的に、今まで作った中でダントツ一番気に入ってる曲です。Youtubeやニコニコでは伸びなかったんですが、Bilibiliでいいねやフォローをこの曲で沢山頂けて嬉しかったです。

最初にできたフレーズが、「La La La La...」って言ってる間奏部分でした。ここの部分が凄い気に入ってて、ここを軸に他のパートをくっつけていった感じです。

コードとドラム→間奏部分→AメロBメロメロディー→サビメロディーという順番で概ね作ったので、元々テーマやメッセージが全くありませんでした。歌詞をどうしようか本当に悩んで、水中、海底、原っぱ、銀河鉄道の夜とか色々イメージを巡らせて、最終的に「仮想現実世界の崩壊」に辿り着きました。アウトロのシンセサイザーのメロディーは、カムパネルラとジョバンニの別れのシーンをイメージしながら打ち込んだ気がします。また、冒頭の歌詞は星新一の「午後の恐竜」が元ネタです。

そういえば、これが自分の可不デビュー曲です。物凄く優秀なソフトなので、バンバン使ってます。

 

10.月の毛布

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東京は水の底を作っているとき、あまりにも歌詞が出なさ過ぎて、「歌詞がすらすらかける曲をつくりたい」という現実逃避がきっかけで作った曲です。

これは、元々僕が数年前に作った俳句「月光の当たる毛布を撫でている」を基に、歌詞とメロディーを同時に作りました。テーマは離人感と浅い睡眠。

僕は小学生の頃からずっと離人感があって、時々眠ろうとするときに、離人感が強まって、色んな人の声が聞こえだしたり金縛りがずっと止まなかったりして全く眠れない時があります。そういう感覚について克明に歌った曲をまだ聴いたことが無かったので、自分で作りました。

この曲に関しては、宇都宮さんのイラストが物凄くマッチして最高でした。本当にありがとうございます。ニコニコ動画の話題の動画にも紹介されて再生数凄く伸びたんですが、僕がそれを知らず工作されたと思って動画非公開にしてしまったのを未だに悔いている。

 

11.ストロボラスト Ug Acoustic mix

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椎名もたの誕生日に合わせて投稿した曲。

椎名もたはボカロシーンにおいて僕が最も影響を受けた、唯一無二の存在です。

彼の忌日である7月23日が近づいてきてるので、また何か投稿したいですが、無色透明祭もあるし厳しいかなあ...?まだ無色透明祭の準備何もしてないんだよな

 

12.コキリコ節 Ug Electro Mix

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お馴染みの民謡「コキリコ節」のエレクトロリミックス。

元々、民族楽器を多用したオリジナル曲作ろうと思ってたんですが、これコキリコ節にあいそうだなと思って方向転換して作りました。

民族楽器は日本の篳篥、笙を筆頭に色々使いました。全部Native InstrumentsシンセサイザーEAST ASIAです。素晴らしいね。

可不の歌わせ方もかなり気に入ってます。民謡と可不の相性、かなり良いと思うな。

 

13.撫子 (Mug Mamiko + Ungifted From tapaTunes)

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「声を灯せ」を、シンガーソングライターMug Mamikoさんが編曲し、更に彼女自身による新しい歌詞で歌ってもらった新しい曲です。

他の人と共作でつくるの初めてなので新鮮でした。やっぱり自分一人じゃ思いつかないものが出来上がるので面白いです。

Mug Mamikoさんとは共通のバンド、tapaTunesでも活動しています。そちらでは、中南米~南米の民俗音楽をベースにした音楽をやっています。

 

14.恋に緑青

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この曲のみ、既に2年前に完成されていた曲です。元々「声を灯せ」同様、MV製作のためにつくりました。友達にボーカルしてもらいました。

DTM初めて半年くらいでCubaseを買って2番目に作った曲だったと思います。まだシンセサイザーを買う前だったので、音源は全てCubaseの付属のものです。

そういう訳で割と前に作った曲なんですが歌詞、メロディー、サウンドともに結構気に入ってます。テーマは「私の事フッた男が今更になってヨリ戻そうとか抜かしてるけど、もう君には興味ないから」的な感じ(長い

 

15.がらくたばっか

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Aviciiをイメージした楽曲。個人的にこれも、「東京は水の底」くらいかなり気に入っています。

これも間奏のメロディーが一番先にできて、そこを基盤に他のパートを作っていきました。間奏のメロディーはカリンバにリバーブかけた音で作っています。

可不とこういうフューチャーハウスっぽいサウンドの曲、まだあまりない気がするんですが、これもかなり相性が良いと思いますね。

僕は今年から楽曲製作と発表に本腰を入れて活動し始めましたが、再生数が中々伸びず、今の自分の現状と、過去に出会った人たちの現在を比べて凄く妬んだり後悔する日が多いです。そういう思いが結構率直に反映された曲でもあります。

 

16.推ししか絶対勝たん

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ボカコレ春2022発表曲。

タイトル、サムネ、演奏時間、曲構成、コード、歌詞、全てを「今の流行のボカロ」を意識して、バズることだけを念頭に作りました。けど爆発的な伸びは起こらず。無念だね。

よく「俺は売れ筋の音楽を作ってないから人気が出ないんだ」みたいなことを言ってる人見ますが、「売れ筋の音楽」とやらを形にしたところで(そもそも上手く形にする作業がなかなか難しいですが)、それが必ず売れるわけではないよなと感じました。正直こういうこと言う人って一種の逃げだよなって、今は思います。

まあそれは置いといて、この曲自体は結構気に入ってます。可不ちゃん可愛いし。

 

17.Twilight

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元々はナカノは4番の「hp」のリミックスを出そうかと思ってました。コードを拾ってる最中で、「このコードで新しく曲作りたいな」と思って方向転換してできた曲です。

メロディーがシンプルな分、英語と日本語でリズムにメリハリをつけたかったのと、洋楽の和訳動画みたいなのをセルフで作ってみたくて、2つの言語を曲中に使っています。

ただ、僕は全く英語が出来ないので、伝えたい英文と、歌詞に載せたい音節を翻訳アプリ使いながら、必死に揃えました。この楽曲製作後、ちょっと高校までの英語文法を振り返ったんですが、結構文法を間違えてて恥ずかしいですね。多分歌詞も含めて作り直すかも。

 

18.ローファイメモリー

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楽曲製作中の仮タイトルは「休日の猫」。

イントロのコードを打ち込んでみて、そこから展開させて出来た曲です。

最後に歌詞を入れるとき、意外と相対性理論みたいな雰囲気が合うかもしれないと思い、彼らの曲をイメージしたフレーズを入れ込んでます。

ぼんやりとしたイメージのまま何となく出来上がった曲でしたが、聴いてくうちに気に入ってきました。

 

19.星の夢

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Lo Fiエレクトロニカ。これも「東京は水の底」「がらくたばっか」と同じくらいかなり気に入ってる曲です。

元々今年の二月に「月の毛布」を作り終えた後、この楽曲で使ったドラムとコードのプリセットを使って、なんか新しい曲作れないかなと思って打ち込んだのが、曲作りの最初でした。その時にできたデモソングをずっと放置してたんですが、久しぶりに聴いて凄く心地よかったので、新たに作り直そうと思い出来た曲です。

本当はもっと歌詞長かったんですが、最終的にほとんど削除してシンプルなフレーズのみ残りました。極めてシンプルな同じコード、同じメロディーをひたすら繰り返す構成はDaft PunkのEmotionを参考にしています。

僕はエレクトロニカIDMが音楽のベースにあって、それらの音楽をイメージしながら作りました。落ち着くので眠る前によく聴いています。

 

20.あなたは世界の終わりにずんだを食べるのだ × 悪いことはしちゃいけないよ

 

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今年のボカロヒット曲と、10年前のボカロヒット曲の組み合わせ。

ずんだを最初に聴いたときから、絶対この曲と相性良いと思って勢いで作ったやつ。やっぱり相性抜群だった。

 

21.句集『夢に出てくる街』

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DTMerが集まって楽曲発表をする、ゼロカラコンピvol.8「雨」への参加曲です。

メロディーが17音に近かったので、俳句のせられるなと思い、夏の日の雨をテーマに全部俳句で一つのミニ句集みたいにしています。

実はもう俳句歴7年くらいになるんですが、最初の2年くらいしか真剣にやってなかったのでかなり久々に作りました。この7年、もっと継続してやり続けていたらもっと面白い俳人になれていたんだろうか、的な。

2022年上半期よく聴いた楽曲

01.戻るボタン / なみぐる (2021)

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今年「あなたは世界の終わりにずんだを食べるのだ」がボカロ界で話題になった、なみぐるのデビュー作。出だしから非常にキャッチーで、一気に最後まで聴いてしまいます。メロディーのリズムの小気味良さ、音楽と映像のセンスに圧倒されます。

 

02.POP SONG / 米津玄師(2022)

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プレイステーションのタイアップソングというだけあって、ゲーム音楽を思わせるサウンドが随所に散りばめられてあります。ヒップホップを下地にしたビートに展開される歌詞に米津らしさを強く感じました。「誰でも良いけど君が良いんだよ」「君だけの歌歌ってくれ」というロマンチックなフレーズがこの歌の核かと思えば、「それもまた全部くだらねえ」と、最後にそれすらも全部否定するという構造が面白いです。

 

03.熱帯季風 / 熊猫堂 Produce Pandas (2022)

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既存の男性グループのイメージ、価値観に捉われないLargeサイズアイドルとして登場した、中国の男性アイドルグループ熊猫堂の最新曲。

南国の風を思わせる暖かいTrapサウンドと、それに乗せて歌うウイスパーボイスが気持ち良い楽曲です。

それからHusky君がとにかく可愛い。

 

04.LOVE DIVE / IVE (2022)

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飛ぶ鳥を落とす勢いのK-POPグループ、IVEの最新曲。

ミドルテンポの四つ打ちに、八分音符主体のメロディー、女声にしては中々の低音域で攻めてくる感じは、独特の気怠さと中毒性があります。これからはこういう落ち着いたサウンドが、KPOPの新たなトレンドになるんでしょうか。

この楽曲は他のKPOP楽曲と比べても、マスタリングが丁寧に思います。最初の一音目から「おおっ」と感じました。

それから、レイちゃんの歌う「のんねげろ なんねげろ」が頭から離れないです。

 

05.FEARLESS / LE SSERAFIM (2022)

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HKT48、IZ*ONEを経て三度目のデビューとなる宮脇咲良や、同じくIZ*ONEチェウォンの新生グループとして大きな注目を集めたKPOPグループのデビュー曲。

かなり音数の絞られたダンスサウンドは、地味でありながら刺激的です。「What's look at?」「Bam bam bam...」と囁くようなメロディーを主体にして曲が展開していくのも、結構攻めた作りだと思いました。

IVEの時にも感じましたが、こういう曲がこれからのトレンドになっていくのでしょう。

 

06.BAD モード / 宇多田ヒカル(2022)youtu.be

宇多田ヒカルの最新アルバムの表題曲。

最新アルバムは編曲面で海外プロデューサーとタッグを組み、今までより豊かでリッチなサウンド宇多田ヒカルが聴けて、とても良いアルバムでした。

BADモードのような暖かみのあるダンサンブルな曲から、マルセイユ辺りのような硬質なテクノサウンド、更にはFace my fearsのリミックスなど、最初から最後まで聞き逃せないです。

 

07.W / X/ Y - Tani Yuuki (2021)

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去年末からロングヒットを続けているラブソング。

Rin音などと同様に、ヒップホップを下地にしながらメロディアスな曲を作るのが非常に上手い方です。初めて聴いた時から一発で好きになった曲です。

 

08.メイビーベイビー / きゃりーぱみゅぱみゅ (2022)

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アニメ「ニンジャラ」OP曲。

90年代アニメOPを思わせるようなハイテンション感、きゃりーの曲の中でも中々の高音が突き刺さるサビ、中田ヤスタカのキラキラしたサウンド。聴いててとにかく楽しい1曲です。

 

09. Flow / Perfume (2022)

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ここ数年続いたPerfume風Future Bassの新境地だと思います。

落ち着いたダウンビート、それでいて華やかなサウンド、Trapを思わせるハイハット

一番と同じ展開にならない多様なメロディー。今時の音楽に影響を受けながら、独自に展開していくPerfumeサウンドはやっぱり唯一無二ですね。

 

10.Life Is Still Going On / NCT DREAM (2021)

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KPOPの人気男性グループ、NCT DREAMのドリーミーな楽曲。

鉄琴楽器とTrapのサウンドの相性が抜群に良いです。チルい雰囲気に乗せて歌われる歌詞のメッセージ性にやられました。

いずれ、KPOPの新たなアンセムになってくるのではないかと思います。

 

11.Bambro Koyo Ganda (feat.Innov Gnawa) / Bonobo (2017)

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IDMの第一人者の一人、Bonoboの楽曲。

トライバルな要素とエレクトロニカの組み合わせはやっぱり良いですね。この楽曲のAnalog Versionではよりトライバル感強まったサウンドが楽しめます。

 

12.我願意平凡的陪在你身旁 / 王七七 (2019)

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この曲が中国でどのくらい有名なのかは分からないんですが、とても気に入った曲です。

単純なコードを刻むギターとボーカルのみの非常にシンプルな曲。あまり歌詞の内容は分からないんですが、タイトルの「私はむしろ平凡な人としてあなたの傍にいたい」というフレーズは、素朴ながら泣かせるフレーズだと思います。

 

13.ねっちゅーしょー / 名前は未だ無いです。(2021)

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Tiktokがきっかけでバズったボカロシーン曲。

相対性理論を思わせるバンドサウンドです。彼らに影響を受けたであろうミュージシャンは沢山居ますが、その中でも群を抜いてクオリティが高いです。思わず口ずさみたくなるメロディーと歌詞がとにかく強い。これからの季節に聴きたい1曲。

 

14.La Cosecha / Nicola Cruz (2015)

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トライバルな楽曲を作るNicola Cruzのテクノミュージック。

エクアドルの民俗音楽「サンファニート」と、ダウナーなテクノサウンドの取り合わせが本当に気持ち良い。僕もこの二つの相性は良いと凄く思っていましたが、この組み合わせの楽曲でダウナーな雰囲気なのは結構新鮮です。

 

15.Have a nice day / imase (2021)

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Tiktokがきっかけで鮮烈なデビューをした若き天才imaseの楽曲。

単純なコード、単純なメロディーなのにお洒落だし格好良いしキャッチー。

まさにセンスの塊みたいな曲です。

 

16.RICA RICA / NATURE (2022)

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人気低迷からの起死回生を狙ったKPOPグループ、NATUREの楽曲。

民俗舞踊ザオリに影響を受けたサビのダンスが話題になったダンスナンバーです。

シンセベースがとにかく格好良くて気持ち良い1曲。

 

17.Cheers / OZON (2022)

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今年ニコニコ動画でスマッシュヒットしたボカロシーン曲。

ご機嫌なリリースカットピアノやチップチューンサウンドが踊るダンスナンバー。リズムの小気味良さもさることながら、鮮やかなサビの転調にやられました。今年上半期のボカロシーンで最も印象に残った曲のひとつです。

 

18.ニューダーリン / MARETU (2021)

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メタルサウンドをベースにした、ゴリゴリの電子音で攻めまくるMARETUの最新作。

彼の楽曲本当に好きなんですが、毎回最新作が最高傑作なのが恐ろしい。

恋愛のどろどろ感とか現代人の退廃したぐちゃぐちゃした心を、無機質なミクの声がこんなに表現できるなんて...って感動します。

 

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この上半期は、熊猫堂にハマったのをきっかけに中国歌謡をよく聴いていたような気がします。正直熊猫堂(特にHusky)がめっちゃくちゃ可愛いことしか頭に残ってない。